展示会の紹介(展覽總說)

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楽寓毫端!彼らの生活の楽しみは、まさに筆先に託されていました。

功績をあげるために学び、国に貢献するために書く時代──理想が実現した時、筆は剣のようにその志を天下に振りかざし、何をしてもうまくいかない時、隠居して田畑を耕す時、筆は扇のように心の憂いを扇ぎ飛ばします。紙の裏まで命や五感が透き通り、気持ちをほぐして慰めます。鉛筆、ペン、キーボードが登場する以前の時代、筆は国家の出来事や胸の中の鬱憤を書き記すためだけに使われていたわけではありません。生活記録、気持ちの伝達、人付き合い、さらにナンセンスなものまですべて筆で記していました。

そのため、手紙、カード、対聯、紙本のすべてが「楽寓毫端」にあります。現代のEメール、Facebook、LINE、Instagramを使った交流と同じ意味をもって悠々自適で楽しい生活が徹底的に実践されています。本展では所蔵品の中から清朝統治時代、日本統治時代、戦後初期に筆で書かれた40点あまりの作品を厳選して展示しています。作家は30名以上、寄贈者は14名にのぼり、台湾知識人の社会への温かな思い、生活美学、個人的な些細な出来事まで表現されています。かつての優雅な文学があふれていた筆の時代です。

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図説1:展示会の実際の様子。

図説2:AR写真。

図説3:筆墨好伝情(筆と墨で伝える気持ち)
100年前の台湾の文芸青年は友人にはがきを送るとき、筆先に文字を託していました。一緒に自分のはがきを作って友達や自分に送りましょう!
ステップ1 お好きなはがきを選びます。
ステップ2 画面のボタンを押して、はがきの上に現れる対聯、印章、現代文を選びましょう。
ステップ3 宛先のメールアドレスを入力します。

図説4:周定山「行草《楽寓毫端》の題字」
1964年、周定山が67歳の時の作品。4文字のうち「楽」のみが草書体で、他の3文字は顔体楷書体の筆遣いで書かれています。大きな筆を墨汁に浸し輪郭をぼかして書かれており、力強く重厚な筆遣いから壮大な勢いが見て取れます。書家のエネルギッシュな精神が目の前に現れます。

書斎の志 (書房言志)

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実直な男性の書斎エリアです。原稿、詩稿、書物、絵画などに、志が思いのままに描かれています。施瓊芳の『崇文書院課巻』、葉応祥の『三世見售録』からは、勤勉な独学の姿がうかがわれます。魏清徳の臨蘇軾法帖、謝星楼の龔定盦詩、鄭坤五が描いた虎からは、漢学に心を寄せる作者の気持ちが読み取れます。洪棄生の『寄鶴斎詩集』、黄純青の『晴園詩草』にも志がみなぎっています。

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図説1:展示会の実際の様子。

図説2、3:AR写真。

図説4:呉承燕甲骨文集
中鋒の筆運びで筆圧をコントロールし、筆先の使転により線質は細くかつ遒勁な筆力で書かれています。戦後に台湾にやってきた書家では、古代文字を研究した董作賓のほか、呉承燕の甲骨文書道も鑑賞する価値があります。

思いを伝える詩文のやりとり (酬唱傳情)

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積み重ねられたグリーティングカード、はがき、手紙が調和のとれた円を織り成しています。ここは人の感情が交流する場所で、他の人へ贈られた言葉、墨蹟が集められています。筆は受信と発信のメッセンジャーであり、お互いを豊かかつ円満にします。魏清徳の年賀状、王少涛が蘇孝徳に感謝を伝えた短詩、趙雅福から王開運に送られた別れの手紙、洪鉄涛が緑社に送った掛け字。仲の良い友人に気持ちを伝えるには筆が必要です。

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図説1:展示会の実際の様子。

図説2:籾山衣洲「行草書次太乙山人詩 古くからの友人鉄軒に贈る」
1914年3月、籾山衣洲は台湾を再訪して七絶一首を書き、古くからの友人、鉄軒に贈りました。行草書体、柔軟性のある使転で、構成も優れています。魏清徳はその筆力を「腕下金蛇筆力馳(金蛇の手首、走る筆遣い)」と賞賛し、自然でスムーズな筆走龍蛇の筆遣いが見て取れます。

図説3:于右任「隗囂語光武 草書体」
1950年の初春、于右任が魏火曜に贈ったもの。馬援が漢の光武帝、劉秀を称えた言葉で、次の世代への贈り物として非常に大きな意味をもっています。作品中の引、毎、旦、人などの字は、意図的に筆圧を加え、墨の暈染を作り出しています。風のようなリズムと力強い筆運びが見て取れ、款識、鈐印、出典、記念などの機能をすべて備えた于右任の傑作であるといえます。

気持ちを伝える対聯と横批 (匾聯敘意)

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対聯と横批は、作者の学識、道徳、誠意の試金石であり、自分磨きのほか、文友を励ますこともできます。広げて飾られるため、誰でも観賞して分析することができます。そのため、間違えて恥をかくようなことがあってはなりません。対聯と横批は規則的で味わいがあり、筆と墨による一文一句が、本の表紙タイトル、家の玄関の対聯、政府機関や企業の扁額に力を与えます。

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図説1:展示会の実際の様子。

図説2:周定山「《事能、人到》対聯 隷書体」
「事能知足心常楽、人到無求品自高」対聯。清代の陳伯崖が書いたものからの一文で、1964年に周定山が書きました。隷書体。墨の乾湿、濃淡により、幅の広い結体や緊密度が巧妙に変化し呼応しています。

図説3:朱景英「《学続・家隣》木刻の対聯 隷書体」
「学続一鐙伝孟県、家隣三島占凔洲」対聯。朱景英が尊敬する学友に贈ったもの。乾隆帝時代。隷書体、波磔出鋒、幅広い結体、雄大で力強い筆力となっています。この木刻対聯は日本統治時代に鈴村串雨が尾崎秀真に贈ったもので、尾崎は「温雅蒼古(古めかしい中に深い趣があり、穏やかで上品)」と賞賛し。

紙本に寄せられた思い (冊頁寄念)

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書道の紙本は現代でいうゲストブックです。特別な人や物事を記録することができ、親族や友達に記念として題字を書いてもらうこともできます。ある時は文字で、ある時は絵で描かれます。このエリアでは、陳雲程の『書画禅』、魏清徳の『吉光片羽』、呉新栄の『翰墨因縁』を展示しています。これらは1930年代と1940年代における造詣の深い文化人たちによるサイン帳で、彼らが残したゆったりとした筆遣いの文字は絵文字を遥かに凌駕しています。

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図説1:展示会の実際の様子。

図説2:陳雲程「書画禅冊頁」
張李徳和は、純熟の写意(詳細な描写を省き思いに任せる画法)で伝統的な「籬菊」を題材に描き、五絶一首の詩を書き添えました。1942年夏の作品。本冊には鄭坤五が淡彩、沒骨の素朴な筆遣いで描いた蘭花もあります。林玉山の平視、仰ぎ見る視点で描かれた山景は、素朴かつ気品や品格のある趣が墨のみで表現されています。このほか、林玉書、徐杰夫、李碩卿、林献堂などの作品があります。

図説3:鄭坤五『虎吼図』
岩の上の虎が空に向かって吼えています。上下にスペースが残され、虎の生き生きとした模様が視点を中心に集めています。周りには暈染の大きな筆遣いと力強く伸びた草が見られ、画題である「風雲動地」の勢いと呼応し、視覚を密接に結びつけています。日本統治時代または戦後初期の作品です。

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